小食で十分だった時代
生命を維持するためには、外から取り入れる栄養が必要です。
しかしながら、今の栄養学で常識とされているような食物の摂取法は、ことごとく間違っていると言わなければなりません。
それらについて、これから少し述べてみたいと思います。
まず、生命というものは皆、見えない世界と係わっているということが言えます。
人間も最初は、ほかの動物と同じように、ひとつの受精卵が発育して肉体を形成するようになるのですが、その肉体は栄養によって維持され、発達し、やがては天寿を全うするわけです。
栄養をとることで、肉体を維持していることは確かなことです。
ところが、私たちが常識としている栄養の種類、熱量などのカロリー計算、また摂取量などに関して、ここに来て大きな修正を加える必要があります。
つまり、今の栄養学が望ましいとしていることには、見直されるべき箇所が随所にあるということなのです。
今よりずっと昔の人間はみな、ひじょうに小食でありました。
それは単に、食料がとれなかったということではなく、それほどの量をとる必要が元々なかったからです。
日本でも、室町時代以前には、一日一食でこと足りていました。
その時代、キビ、アワ、あるいはヒエの種を粉にして、それを揉んで固めて、直径一センチくらいの団子にしたものを一日一~二個ほど食べていただけでした。
それだけでも十分でした。 肉体は大きくなり、子供たちは立派な成人になりました。
そして、また子をつくって、次の世代、またその後の世代へと、確実に生を繋げていったのです。
そうすると、彼らの食事の主たる成分は何だったのでしょうか。
それは、はっきり分かっています。
デンプンです。 デンプンが完全に糖化してエネルギーになるとき、それは肉体を構成するうえで、もっとも良質な成分になるのです。
それには、宿便、汚血、また老化の原因になるものはありません。
それに対して、今の食事にはあまりにも、老化や病気の原因になるものが多すぎます。
デンプンは、少量で有効な、とても燃費のよい、ちょうど自動車のようなものだと考えてみると分かりやすいでしょう。