山内理論 その6

白米病の原因はカビ毒であった

 

 あなたがたは健康のために、玄米はとてもよい、と言っています。

 最近は農薬の観点からも玄米の問題点が指摘されているようですが、玄米食はもっと基本的なところから、人間の身体にとっては害となるのです。

 玄米はその表面がとても固く作られています。 構造は、ベータ澱粉という形になっており、そのままの形で食すれば下痢という症状を起こします。

 米は、白米にするほうが身体にはよいのです。 なぜなら、私たちにほんとうに必要なものは、ブドウ糖だけだからです。

 稲という植物は、自分の子孫に与えるブドウ糖が長持ちするために、米のなかに固いデンプンを用意したのです。 さらに、それが地面に落ちてもかびないように、腐らないようにと、硬いモミでもって保護しているのです。 さらに、米の胚芽という部分は、よく言われるように米のエネルギーなどではありません。

 米の胚芽には、食べたら害になるような要素が溜められているのです。

 米につくゾウムシという昆虫も、胚芽の部分だけは食べません。

 それほど、胚芽は生体に悪いということを知らなければなりません。

 では、何故これほどまでに玄米食は体質改善に効く、だとか、健康によい、と言われるようになったのでしょうか。

 それは、もうかなり昔、明治時代の日本でのことですが、白米中心の食生活のなかで、玄米食にしたら身体がよくなった、病気が治った、という話は、確かに伝わっていました。 そして、現代においても、玄米食のシンパは大勢います。

 戦前、戦後の日本において、米の貯蔵方法は非常に悪く、せっかく貯蔵した米には、しばらくすると、その表面にうっすらとカビが生えてしまっていたのです。

 そうした米を食べることによって、当時の日本人の多くは、表面についていたカビをも摂取していたのです。 そして、そのカビ毒は、かなり悪い症状を引き起こしたのです。

 それによって、死ぬ人も多くあらわれました。 脚気という日本独特の病気も当時、蔓延しました。

 そして、当時流行した脚気は、ビタミンB1の摂取という栄養学上の指導によって、終息したとされています。

 しかし、それには後日談があったのです。

 

 ほんとうはビタミンB1の摂取という指導によって脚気がなくなったのではなく、ただ単に、米を保存していた倉庫を乾燥させるというアメリカの研究者の指導によって、米につくカビが抑えられたので、

 それ以来、白米病とも言われた脚気が起こらなくなったのです。

つまり、脚気はビタミンB1の発見によって、それを摂取することで治ったのではなく、脚気の原因はカビ毒だったので、単にカビがなくなったから脚気もなくなったということなのです。

 

 それが知られていなかった当時、脚気は白米食中心によって起こるとされ、その代わりに玄米食が提唱されたということもあるようです。

玄米にはカビ毒がつかなかったので、少なくとも、玄米を食べてもカビ毒(すなわち、脚気)にはなりませんでした。 それと同時に、当時はいまの玄米食で用いるような高圧釜がなかったから、一生懸命噛まなければならなかったのです。 それでも結果的に、その懸命なそしゃくが、玄米から多くのブドウ糖を取り出させ、これが健康にも効いたのです。

 そのことが、玄米から多くのブドウ糖を取り出させ、これが健康にも効いたのです。 そのことが、玄米の治病効果のように見られたのでしょう。

 

 今の時代にあっても、やはりビタミン学説は大いにもてはやされています。

 たとえば、ビタミンCを大量に摂取すると風邪にならない、ガンにすら予防の力がある、というわけです。 しかし、それは実にナンセンスなことなのです。

 最初にも述べたように、必要なビタミンは身体自らがつくりあげているのです。

 それを同じ構造のビタミンだから効くとして、植物が作った天然ビタミン、さらに石油から合成した合成ビタミンを摂取することは、肝臓にそれらの分解を要求するだけのことで、むしろ生命力を弱める行為にも等しいのです。